【サバイバーシリーズ08 SUR08】シナの力を引き出す、ジェリコの経験
22年の歴史を持つ『サバ
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▼伝統のサバイバーシリーズ・マッチ: ショーン・マイケルズ&レイ・ミステリオ&グレート・カリ&クライム・タイム vs. JBL&ケイン&MVP&ザ・ミズ&ジョン・モリソン
伝統の生き残り戦の初戦となったのは、マイケルズことHBK軍 vs. JBL軍。各々が抗争関係にある分かり易い人選となっており、実力的にも拮抗したバランスの取れた構成の試合。
まずは惨敗ロードをひた走るMVPが幸先よくJTGを仕留めることに成功するが、宿敵カリのチョップで瞬殺される“お約束”が。続いてケインと対峙したカリに、大「カリ」チャントが鳴り響いたのにはまあ驚いたこと。ケインを失格させることになるミステリオとの合体攻撃時の大歓声も、(醜悪な)キスカムでの試練のキッスが福を呼んだのネ!と思えた程。
その後、ミズがシャドを下したが、件のカリはベビーターンしたといってもレスリング下手には変わりはなく、やっと築いたベビームードを台無しにも出来ないため、HBKが忍耐役に回り、ミステリオが形勢逆転役に。そしてカリさん見てるだけ!
JBLのミステリオに対する超暴力的なラフ殺法に、「お前はレスリングが出来ない」チャントが発生するという不思議なシーンもあったが、この辺りは、今のカリには可哀相>でも台詞は叫びたい>じゃあJBLに…的な雰囲気だったかも。
って、気付いたらJBLはHBKとやりあう中、そのまま場外10カウントアウトで失格。モリソンもRAW#808の大金星をもう一度とスイート・チンを放つも、本家HBKが華麗にかわして本物炸裂。で、HBK、ミステリオ、カリの3人が勝ち残り…カリさん前半しかリングに出てないヨ!
★3-0でチーム・HBKの勝利
HBK軍=マイケルズ、ミステリオ、カリ (シャド、JTGが失格)
JBL軍(全員失格)=JBL、モリソン、ミズ、ケイン、MVP
※JBLにSCMをよけられるも10カウント前に帰還したHBKは、モリソンも迎撃して3-0のスコアで自軍を勝利に導く。
この試合後、WWE王者HHHが、ジェフへ再挑戦の期待する言葉と、一騎打ちでの王座戦でコズロフに「初めての敗戦を経験させてやる」と絶対的自信で語っている。
▼伝統のサバイバーシリーズ・マッチ: ミシェル・マクール&マリース&ナタリヤ&ビクトリア&マリア vs. ベス・フェニックス&ミッキー・ジェームス&ジリアン&キャンディス・ミシェール&ケリー・ケリー
SDディーバ vs. RAWディーバの生き残り戦は、昨今のディーバ勢の底上げの成果を見せる絶好の機会…と思われたが、やはり普段から試合をしていない同士がかみ合う訳もなく、特に試合経験の浅いケリーとマリアの攻防はボッテボテの内容に。
ビクトリア、ケリー失格後のミッキー vs. ミシェルは、さすがは正統派同士のナイスな攻防となるも、ミシェルとひと悶着中のマリアのカットが誤爆。これでミシェル敗退となり、ディーバ王座戦線に影響が出ることになりそう。
ミッキー失格後は、ベスがキャンディスに檄を飛ばしても、当のキャンディスはベスにタッチしないなど、同番組所属ならではのライバル意識が見られるシーンも。
最終的にRAW軍は順当にベス、SD軍は意外にもマリースが残る形となったが、マリースの度胸の良さは、ディーバ最強のベスを相手にしたことで意外な光を放つことに。同時にそのマリースをねじ伏せたベスの強さも際立つことになった。
★1-0でRAWディーバチームの勝利
RAW軍=ベス (キャンディス、ジリアン、ミッキー、ケリーが失格)
SD軍(全員失格)=マリース、マリア、ミシェル、ナタリヤ、ビクトリア
※勢いのあるマリースを強引に怪力技でねじ伏せ、RAWディーバの勝利に。
この試合後、マットが弟ジェフについて、「最悪の事態は免れたが、ジェフは鈍器で後頭部を殴られたらしく、試合に出場出来るか分からない」と鎮痛な面持ちで語っている。 (ということで、ジェフ昏倒事件は“ストーリー上のもの”です)
▼棺桶戦:アンダーテイカー vs. ビッグ・ショー
テイカー絡みの抗争は次第にインパクト重視になることもあり、結局のところギミックマッチが定番化。今回は大巨人の「テイカーなんて怖くないもん」という強がりから、墓堀人の代名詞ともいえる棺桶戦に。
最初にテイカーが流れを掴み、実況席に突っ伏した大巨人をレッグ・ドロップで粉砕するのだが、大巨人はすぐに逆転し、一気にリングサイドの棺桶にテイカーを投入することに成功。
ところが、自分で蓋を閉めないといけないルールなのに、ここに来てテイカーの超常パワーを恐れて躊躇。レフェリーの再三の命令にようやく蓋を閉めようとしたが、案の定、テイカーは蓋をさせず、猛反撃へ。
棺桶に落とされつつも蓋をされることを防いだ大巨人は、その怪力で棺桶自体を逆さまに!まるで「もう使えないもん!」とでも主張する幼稚園児ばりの行動に出たかと思えば、試合放棄をしようと入場ゲートへトボトボ出発…
んが、大巨人の目の前に、テイカーの従者達が新たな棺桶をお届け! 観念した大巨人はテイカーを迎撃し、新しい棺桶を立てかけてみたが、逆に棺桶の中にホイップされる始末。大巨人を収めた勢いで倒れた棺桶はそのまま蓋が閉まって試合終了となりました。
テイカー ○-× ビッグ・ショー
※立てかけられた二つ目の棺桶に追い込まれかけたが、パンチの乱打を浴びせて逆に大巨人を投入。倒れた勢いで蓋が閉まり決着。
試合後、カリート&プリモの兄弟とブリー&ニッキーの姉妹が談笑していると、「レッスルマニア17」で登場したゴブリー・グッカーのきぐるみ野郎が乱入。カリートはてっきりハースの悪ふざけかと想像するが、素顔のハースが新たに登場。では、グッカーの中身は誰かといえば、ブギーマンがコンニチワ! ホームECWでの復帰もそろそろ?
▼伝統のサバイバーシリーズ・マッチ: ランディ・オートン&マーク・ヘンリー&ウィリアム・リーガル&コーディ・ローデス&シェルトン・ベンジャミン vs. バティスタ&マット・ハーディ&CMパンク&コフィ・キングストン&R・トゥルース
ヒールのオートン軍 vs. ベビーのバティスタ軍という構図の生き残り戦。
人気先行型スターが揃うバティスタ軍だが、試合開始8秒でパンクがGTSでリーガルを沈めるお手柄を挙げたものの、R・トゥルースは奮闘したが、ライバル・ベンジャミンのペイ・ダートで失格。前半良かったコフィ君も、ベンジャミン相手に猛反撃を決める場面でカラ回り病を発症。大舞台のプレッシャーはきつかったか、オートンになす術なく敗れた。
ベビーの若手がカラ回った中、コーディはあくまで若手ヒールの基本に忠実。序盤の野獣との対戦は速攻で回避し、中盤には同伴マヌの手を借りてパンク狩りに成功。
その後、ヘンリーがマットを圧殺した後、バティスタがそのヘンリー、ベンジャミンを立て続けに排除したため、いよいよ野獣との対戦は不可避となり、マヌの妨害も通用せず、必殺ボムの餌食に…
しかし、このコーディがオートンにとって、肉を斬って骨を断つ作戦の布石になる。
オートンは、バティスタが気付かぬ間に、抱えあげられたコーディの腿に触れてタッチしていたのである。それに気付かぬバティスタの背後で狙いを済ましたオートンは、これみよがしのRKOを炸裂!
オートン軍は戦前のやりとりで、主将オートンとコーディが口論するなどキナ臭い雰囲気になっていたが、終わってみれば、コーディがオートンをフォローする結果に。
それにしても、バティさんの悲しきポジションは、いつまで続くのか。次回PPVは『アルマゲドン08』では、一騎打ちになりそうですが…
★2-0でチーム・オートンの勝利
オートン軍=オートン、コーディ (ヘンリー、ベンジャミン、リーガルが失格)
バティスタ軍(全員失格)=バティスタ、マット、パンク、コフィ、トゥルース
※コーディに必殺ボムを決めたバティスタだが、タッチに気付かずオートンの不意打ちに沈む。
▼WWE王座戦:HHH vs. ウラジミール・コズロフ…の筈でしたが…
あと一歩の状態から抜け出すべく、本気になったジェフが結果を出して三つ巴戦に変更された筈のWWE王座戦。しかし、何者かに襲われたジェフは正式に欠場となり、再び元のHHHとコズロフの一騎打ちに変更された…
PPV初試合となるコズロフだが、無敗街道ばく進中とあって攻める時は良いのだが、受けに回ると痛がり方がオーバー過ぎて、微妙に笑ってしまう展開がチラホラ。観客も“コズロフはレスリング下手”という先入観があるのか、試合に集中出来ない様子が伺えた。
ただ、コズロフの場合、カラ回りというより不器用。失敗しても巧くやったぜという顔をする方がプロなのかもしれないが、不器用だからこそのリアルさ、コズロフのレスリングにはそれがあるように思える。観客の不思議な反応は、いつものWWEとは違う、妙なリアルさへの違和感なのかも。
さて、そうこうする間にHHHがぺディグリーを決め、あとはフォールだけという展開になるが、入場ゲートに突如、満面の笑みを浮かべたヴィッキーGMが出現。この時点で三つ巴戦への変更を宣言すると、「彼が来たのよ!」と嬉々として叫べば、当然、ジェフを予想するところだが、登場したのは、テイカーに敗れてリングの藻屑と消えた筈のエッジ!!
ここぞとばかり漁夫の利スピアーをHHHに決め、さあフォールを決めようとする…が、今度こそジェフが駆けつけ、エッジを襲撃。イスを手に追撃を狙うが、これがHHHに誤爆。気にせずコズロフも殴打して、再びエッジに狙いをつけようとするも、エッジは強烈なスピアーでそれを封じ、完全に沈黙したHHHから3カウントを奪ったのである!
電撃的にWWE王者に返り咲くという“らしい”復活劇をやってのけたエッジ。ジェフを襲ったのがエッジの仕業とすれば合点がいくこと。安定政権崩壊となったHHH、復活劇のダシにされたジェフ。新王者を巡る新たな抗争はいかなる展開を迎えるのか?エッジ ○-× HHH
※試合終盤にエッジが参戦。手負いのジェフがエッジへの報復襲撃に及ぶも、イス攻撃はHHHに誤爆。エッジはジェフをスピアーで排除し、虫の息のHHHから3カウントを奪い、新WWE王者に。
▼世界王座戦:クリス・ジェリコ vs. ジョン・シナ エッジの電撃復活&WWE王座奪還というサプライズによって、シナ復帰戦のハードルが上昇したが、地元ボストンとあって、歓声はポジティブ。その点では不安はないように見えた。だが、シナ当人の表情には復帰の喜びは無い。 ベテランのジェリコはシナの心身状態を伺うように、試合が開始となってもすぐには組み合わず心理戦を敢行。タックルで倒されたシナは痛めた首にとっさに手をやるなどやはりナーバスになっていたが、ジェリコにSTF-Uを回避されるや、「やっぱそう簡単にはいかねぇか」といったような笑みが浮かび緊張がほぐれた様子が見えた。
対してジェリコは、あくまで仕事師モード。シナの負傷箇所だった首への攻撃にまったく躊躇がない。
チンロックに捕らえられたシナが、不意に自ら右腕を揉んだシーンは、首の怪我で右手が麻痺していたという現実を思い起こさせるシーンだったが、ジェリコは、さらにシナをセカンドロープにもたれかけさせ、背中を踏みつけるなどエスカレート。
ジェリコの体格でフルネルソン絞めというのは効き目が薄そうに見えるが、首の手術をしたシナに肉体的ダメージ以上に精神的なダメージもある筈。
5ナックルシャッフルで場内が沸いた直後、ジェリコはウォール・オブ・ジェリコのカウンターに捕らえるが、この極め方がエゲツナイこと。エビ反りにした上、右ヒザをシナの後頭部に押し付ける形は(特にWWEマットでは)ほとんど見せたことがない。
その後、正調WOJに捕まったシナはなんとか耐え切り、カウンターのFUをとっさに繰り出すもあとが続かず。コーナーからのレッグドロップから二度目のFUを狙うが、ジェリコのコード・ブリーカーに返され、また流れを掴めず。逆にジェリコの不適な表情は研ぎ澄まされ、ヒールとしての魅力を増していく。
しかし、ここまで耐え続けたシナは負けられない十字架を背負っている。ただ勝つだけでは許されないシチュエーションの中、STF-Uで弾みをつけ、ジェリコの丸め込み技を強引に抱え上げ、渾身のFUを炸裂させ、死闘に終止符を打った。
苦闘を制したシナは、こうして復帰戦でキャリア初の世界王者に。リングサイドの家族や友人とハグした後、入場ランプで勝ち取ったベルトを掲げ、ファンに感謝の敬礼を送ったが、そこに見えたのは喜びよりも王者となった責任が透けて見えるようだった。
一方、やっぱり王座を明け渡すことになったジェリコだが、恐らくバティスタでは出来なかった実にイヤラシイ試合をみせてくれた。耐えて勝つのはシナの十八番でもあったが、通常ルールでここまで追い込まれることはなかった。ここは一重にジェリコの巧さを称えるべきだろう。
次回『アルマゲドン08』での再戦は濃厚のようだが、負けた株を上げたジェリコがどんな手で再戦への道筋を作るか注目です。
シナ ○-× ジェリコ
※丸め込まれたものの、強引に抱え上げるやFU一閃!苦闘の末に、復帰戦白星と世界王座を獲得!
[text by シングウヤスアキ]
引用元 : WWE PPV