【アンフォーギヴェン08 UF08】まさかの代理出場者がまさかの新王者に!?
例年では特にテーマの無かった今大会『アンフォーギヴェン』も、PPV大会毎の差別化の流れを受け、スクランブル形式による三大王座戦が目玉に据えられた。勿論、この形式は、WWEが大好きな“史上初”。制限時間
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- 御前崎市
▼スクランブル・ECW王座戦:ヘンリー vs. マット vs. フィンレー vs. チャボ vs. ザ・ミズ
“未知のスクランブル戦”をファンに知って貰うためか、ECW王座を懸けたこの試合がトップバッターに。試合ルールはランブル戦のように2人で試合開始。残る3人の出場者は5分毎に(10秒前からのカウントダウンを経て)参加。制限時間20分内の勝者は暫定王者で、試合終了時点の勝者が正式な新王者となる。
マットとミズで開始となり、3人目のチャボがタナボタ気味にマットを下して暫定王者一号に。その後、マットがチャボに逆襲し、暫定王者となった辺りで正式王者ヘンリーが参戦。
集中攻撃を受けたヘンリーだったが、怪力で形成逆転するやチャボを圧殺ピンフォール。最後の登場となったフィンレーはマットと協力してヘンリーを場外に排除した矢先、マットを必殺ケルティック・クロスで叩きつけ勝利。が、2分もせずにマットがツイスト・オブ・フェイトでミズを下して、またまた王座が移動へ。
(タイミング次第で瞬間的に勝利を奪えるだけに、この目まぐるしい移動劇がスクランブル戦のキモといえる。勝利を維持=他者を邪魔する知恵も要求され、運も重要になる)
残り3分を過ぎると、今度は誰かがフォールを狙えば別の誰かが妨害するというシーンの連続(恐らくこれがスクランブル戦終盤の定番シーンになる筈)。
最もフォールを狙ったのはヘンリーだったが、その度にマットがカット。残り10秒で、5人が団子状態でフォール合戦に突入も、遭えなく時間切れに…。マットのテーマ曲がかかったので、「?」となった観衆も多かったが、そう、この時点での暫定王者はマット。つまりマットが正式な新ECW王者に!
苦節14年の万年中堅マットが、ブランド頂点王座に初めて到達。試合後には舞台裏で弟ジェフと抱き合い喜びを分かち合うと、スクランブル・WWE王座戦に出るジェフに「お前なら出来る。ハーディーズの夜にしよう」と熱いエール。普段は寡黙なジェフが「イェェ!」と気合を入れるなど、珍しい場面にもなっている。
優勝者=マット(新ECW王者に)
移動順=チャボ→マット→ヘンリー→フィンレー→マット
※残り10秒で決着が着かず、その時点の暫定王者マットが正式な新王者に!
▼世界タッグ王座戦:コーディ・ローデス&テッド・デビアス vs. クライム・タイム
オートンの喝で盗まれたベルトを奪い返し、勢いづいた筈の王者コーディ&テッドだったが、序盤はクライム・タイムの連携に為す術なし。終盤、挑戦者組が決めの合体技を狙うや、苦し紛れにテッドが妨害。結局、シャドにやり返されたものの倒れこんだ際、リング中央でJTGに丸め込まれていたコーディの身体の向きを入れ変えることに成功し、辛うじて逆転防衛という体たらく。
裁定後、乱闘になった両軍だったが、王者チームの助っ人らしい謎のサモア人がクライム・タイムを粉砕。若手抗争は激化する模様。コーディ ○-× JTG
※先に丸め込まれたコーディだったが、テッドの偶発的接触で体勢が入れ替わり、逆に丸め込み勝利
▼非公認試合:ショーン・マイケルズ vs. クリス・ジェリコ
SS08のHBK引退声明にジェリコが割込み、HBKの妻レベッカを殴打したことから再燃した両者の抗争。どちらがケガをしても誰も責任を問われない非公認試合となったこのカードは、いわば公開喧嘩マッチ。
HBKは前週に痛めた左肘に分厚いサポーターを巻いた状態で序盤からジェリコを猛攻するが、程なくジェリコはリング下から取り出したテーブルへのパワーボムを狙い、HBKが抵抗するやエプロンへのフェイスバスターに切り替えるエゲツなさを見せる。
さらに攻撃を続け邪悪な笑みを浮かべるジェリコにヒールとしての輝きが伺えた。
流れを取り戻したHBKは得意のエルボー弾を決めたものの、必殺蹴りでの決着では納得が行かず、恨みを込めたクロスフェイスで絞め上げるが、自力で技を解いたジェリコはコーナーに設置しておいたイスにHBKを突っ込ませて脱出。
必殺ウォール・オブ・ジェリコに捕獲すると、HBKがロープを掴もうが技を止めないジェリコ。ルール上ブレイクが無いため、もがくしかないHBKだったが、何やらリング下に手を伸ばし、取り出したるは消火器!
ジェリコの顔に噴射し、流れを一気に変え、乱入した元弟子ケイドも迎撃してみせたが、ここで完全排除に至らず、1対2の状態に。
しかし、HBKマジックは劣勢になるほど発揮されるのは承知の通り。ケイドに必殺蹴りを浴びせ、コーナーに登ったジェリコをイスで一撃。哀れジェリコは場外のテーブルに墜落。それでも収まらぬHBKは、まずケイドをRAW実況席にうつ伏せにし、さらにジェリコを上に乗せると、コーナーからエルボー爆撃!
虫の息のジェリコを革ベルト攻撃で滅多打ちにしてから、両手の自由を奪った形で殴打。危険視したレフェリーがここで試合終了を宣言するも、静まらぬHBKは攻撃を続け、制止するレフェリーにSCMを炸裂。尚も感情を抑えきれないHBKだったが、3人のレフェリーの姿を見て、ようやく膝をつき、リングを離れた。
消火器投入で『喧嘩≦エンターテイメント』の色合いを強めたものの、試合終了後もHBKの激情が収まらず、抗争がまだ続くことが感じ取れる内容となった。
マイケルズ ○-× ジェリコ
※HBKが動けないジェリコに馬乗り殴打を続けたことでレフェリーストップに。
この試合後、世界タッグ王座を防衛したコーディ&テッドのもとにオートンが訪れるシーンに。謎のサモア人が、殿堂者アファ・アノアイの息子マヌであると紹介し、防衛成功を自慢するコーディ達だったが、オートンは「(偶然勝てたような)試合の映像を見直して、その自信の根拠を教えてくれ。運が尽きるのもすぐだ」とピシャリ。 若くして成功し、そして辛酸を舐めたオートンの重い言葉に気圧された3人。この言葉がのちの展開に影響する…。
▼スクランブル・WWE王座戦:HHH vs. ジェフ vs. MVP vs. ベンジャミン vs. ケンドリック
RAWに比べて小粒感が否めないSDのスクランブル戦。ジェフとMVPは順当としても、数ヶ月前のベンジャミンはECWでジョバー役、ケンドリックに至ってはうだつの上がらないタッグ屋だった訳で、SD陣営の(ヤケクソ気味の)冒険心に脱帽である。
ECW王者となった兄マットに続いてWWE王座戴冠を狙うジェフと、史上初のUS王座との二冠を狙うベンジャミンで開戦。屈指の身体能力を持つ両者だが、危なっかしいジェフに比べて、やはり安定力のあるベンジャミンが優勢。
勝負が着かぬ間に大穴ケンドリックが参戦(エゼキエル帯同はエントランスまで)すると、エプロンでジェフに場外ジャーマンを狙うベンジャミンを排除し、暫定王者一号を狙う…のだが、ジェフにあっさりやられて最初の敗者に。
大穴はあくまで大穴か、と思いきや必殺スライス・ブレッドでジェフから3カウントを奪うという金星で暫定王者に! 4番手のMVPにあしらわれたものの、決してやられっぱなしにはならず、このまま混戦になって試合が終了すれば、ケンドリックがまさかの新WWE王者になる可能性も!?
が、世の中そう甘くはない。5人目の正式王者HHHによってジェフ以外の3人を一気に片付けると、ケンドリックをぺディグリーで黙らせ、早々と暫定王者に。しかし、3分半を切る頃、場外で共倒れになるHHHとベンジャミンを尻目に、ジェフがMVPにTOFを決めて、再び暫定王者に。
お役目御免と思われたケンドリックがジェフに夢をもう一度とばかり必殺技を狙う…のだが、失敗。ここからケンドリックの本来のお役目だった!
ジェフを場外に排除したHHHは、ケンドリックを捕らえて再びぺディグリーからフォールを奪うが、直後、ジェフがスワントーンでケンドリックを爆撃したことで王座は目まぐるしく移動。
さらにベンジャミンがケンドリックにスーパープレックスを狙えば、MVPが下からベンジャミンをパワーボムの要領で投げ捨てる大技が炸裂。(ケンドリックはここでお役目御免か)
この混乱を制するようにジェフが3人を追撃し、ベンジャミンにスワントーンを決めるのだが、HHHもMVPにぺディグリー。それぞれがフォールに行くが、先に固めたHHHのカウントが残り時間1秒前で完了。最後に勝利したHHHがその手にWWE王座を取り戻した。
やはりSDのWWE王座はHHHのもとに。今後はジェフとのサシでの抗争か?
優勝=HHH(新WWE王者※防衛ではない模様)
移動順=ジェフ→ケンドリック→HHH→ジェフ→HHH→ジェフ→HHH
※ジェフも遅れてベンジャミンをカバーするが、先にMVPをフォールしたHHHの3カウント直後に試合も終了。
この試合後、HBKが舞台裏インタビューに応え、納得出来たか?という問いに、「今後も毎晩のようにジェリコを痛めつけたい」と語り、「地獄を見るのはこれからだ」と宣言。 また、インタビューブースではスクランブル・世界王座戦を控える現王者CMパンクが意気込みを語っていたが、オートンが「先週の(RAW#797)話の続きをしよう」と割り込んだかと思えば、示し合わせたようにコーディ、テッド、マヌがパンクを襲撃し、救援に入ったコフィも返り討ちに。そして、オートンはパンクの頭部を蹴りつけるや、「これが衝撃って奴だ!」と若手3人に告げ、非情な手口のお手本を見せ付けたのであった。
▼ディーバ王座戦:ミシェル・マクール vs. マリース
ディーバ王座誕生で繰り上げ的に抜擢された挑戦者マリース。しばらく前までバスタブでSDの宣伝をするフランス人(実際はカナダ)のオネエさんだったのだから、大抜擢以外の何ものでもない。
マリースはWWEデビュー前に二軍組織FCWで経験を積んでいるものの、受身に関してはまだ痛々しい仕草をしてしまい、見ていてヒヤヒヤ。変形レッグロックなど出来ることを見せるものの、観衆の反応は芳しくない。左のヒザを痛めたミシェルの動きも悪く、大技で唐突に試合が終了と、王座戦としてはちと歯切れも悪し。
ミシェル政権維持と、マリースのプッシュというラインにブレはなかったが、内容としては微妙かも?
ミシェル ○-× マリース
※ジェフが使うものと同様のシットダウンフェイスバスターで逃げ切り防衛。
この試合後、RAWのGMアダムルが、先だってオートンらに襲われたパンクのスクランブル戦欠場が濃厚であるものの、代理出場者を投入して5人でのスクランブル戦を敢行すると約束。 その流れを汲むかのように、事前にモバイル投票で受け付けていた「ヴィッキーはビッグ・ショーをスクランブル戦に出場させるべきだった?」というお題に対し、「イエス」が77%だったことを受け、その大巨人がリングに登場。
アダムルに向け、「俺をスクランブル戦に出せ」と切り出し、ファンの後押しも受けた大巨人。すると、割って入ったヴィッキーが出場停止を振りかざして撤収命令を告げるが、悪夢の予告通り、テイカーの使者達が棺を持って登場。
大型ビジョンに映し出されたテイカーは、「棺はお前のもの。自分で入るか、それとも俺が入れてやろうか?」と宣告してからアリーナに降臨。
爆笑する大巨人は、逃げ出そうとするヴィッキーを捕まえ、テイカーに差し出そうとするのだが、一瞬の隙を突くや、何とデッドマンの顔面に巨大パンチを一閃。リング内外でさらに痛めつけて羽交い絞めにするや、ヴィッキーが平手打ちを浴びせ、ツバまで吐きつける状況。
一連の流れはどうやらテイカーを罠にハメるための猿芝居だったらしい。
▼スクランブル・世界王座戦:バティスタ vs. JBL vs. ケイン vs. ミステリオ vs. CMパンク? メインのスクランブル・世界王座戦は、現王者パンクの容態、そしてその代理についても不明のまま、バティスタとJBLの間でスタート。 足4の字固めでJBLを失速させたバティスタは、3人目のケインをリングで迎撃。早い展開の中、回復したJBLが割って入ったものの、ケインのチョークスラムの餌食に。
暫定王者一号になったケインは、さらにバティスタを攻め立てていたが、いよいよここで、ケインの襲撃によって6週間欠場することになった(という設定の)ミステリオが参戦。
怒りモードを現すかのように、(某キン肉○ンみたいな)トサカがついた奇抜な新マスクのミステリオは、華麗な動きでJBLを翻弄し、標的ケインに619を狙ったが未遂に。だが、バティスタが救援に入る形で共闘。ミステリオを自らの肩に乗せてのサンセットフリップという親友連携を炸裂!
さらにJBLにもと指示するミステリオだが、その裏をかいて野獣を丸め込んだものだから、当然、仲たがいに。この隙を突くようにして、一気に猛攻に出たJBLだが、決定打にはならず、遂に最後の参戦者のカウントダウンに…
そうしてエントランスに現れたのは、パンクではなく代理の人物。しかもその人物は何と、HBKに失神KO葬にされたクリス・ジェリコ!
痛々しい姿でノロノロと入場するジェリコに余力は見えず、バティスタがミステリオにスピアーを決めた直後にようやくリングインしたものの、同じ技の餌食になる始末。
その後、ミステリオが憎きケインに619を決めれば、バティスタが横取りフォール。それをカットしたミステリオだが、エプロンからの飛び技をバティスタに迎撃され、もう友情関係は皆無。JBLもクローズライン・フロム・ヘルをケインに決めるが、勝利には繋がらない。
そんな中、終了まで1分を切り、バティスタがケインをスパイン・バスターからフォールに成功し、正式王者へあと一歩。さらに、一発逆転を狙うミステリオのハリケーン・ラナをバティスタ・ボムで返り討ちにして、チェックメイトまであと5秒…
しかし、その横で、ジェリコがケインをフォールし、3カウント。終了5秒前の王座移動のブザー音に固まる野獣だが、無常にも試合終了のゴングが…。
まさかの代理出場から、まさかのタナボタフォールで新世界王者となったジェリコ。衝撃の展開は抗争相手HBKの世界王座戦線昇格を意味すると同時に、事実上CMパンクの降格をも意味する可能性が。RAW#798から、どんな展開となるのか、お楽しみに…。
優勝=ジェリコ(新世界王者に)
移動順=ケイン→バティスタ→ジェリコ
※バティスタがミステリオに必殺ボムを決める後ろで、虫の息のケインをフォールしたジェリコが最終的な勝者に。
[text by シングウヤスアキ]
引用元 : WWE PPV