【ロイヤルランブル09 RR09】問題児の優勝

PHOTO4大大会のひとつである『ロ

イヤルランブル』は、今年で22回目。今開催地は、不況戦線真っ只中にある“モーターシティ”デトロイト(日本でいうと愛知県)ながら、場内は大盛況。不況だからこそ、鬱憤晴らしでさらに盛り上がった、のかもしれない。 さて、例年通り、“祭典”の主役を決めるといっても過言ではない今大会ですが、大会直前の主要トピックとしては、RAW#817でオートンがマクマホン会長をパントで負傷させる事件が発生。マクマホン一族とオートンの抗争勃発は間違いないとして、果たしてオートンはこのままランブル戦に出場出来るのか… てことで、開幕カードには、後のWWE王座戦でまさかの行動を起こす男が登場です。

▼ECW王座戦:ジャック・スワガー vs. マット・ハーディ PHOTO大型新人とはいえ認知度の低い段階で王者になってしまったスワガー君。ムーンサルトを耐え、サイドエフェクトを潰して勝機を掴むことになる鉄柱ホイップに繋げた点は、ヒール王者として順当な防衛劇といえそうだが、この内容だと(試合)数で印象付けないといけないため、認知度における即効性は低い。この先、印象的な相手が出てくればですが…。 王座奪還を逃した失意のマットは、その後、まさかの行動に出るのであります。
スワガー ○-× マット
※サイドエフェクトを耐えるとマットを鉄柱にぶつけ、満を持しての必殺ボムへ。

▼女子王座戦:ベス・フェニックス vs. メリーナ PHOTO今回の王座戦は、剛の王者 vs. 柔の挑戦者。特に象徴的だったのが、メリーナの左脚をアンクル・ロックの要領でエビ反りにしたベスが、その反らせたメリーナの足裏を“メリーナの頭部”に何度も叩き付けるという衝撃シーン! 王者の怪力に為す術ナシなメリーナだったが、強引な大技に狙うベスの先を読むや、見事な身体裁きで丸め込んで、文字通り、柔良く剛を制して新王者に。 ベス(とマレラ)はまさかの敗戦に呆然…って、前哨戦段階でメリーナとやり合っていた練習生メンデスの姿はナシ。あんなに絡んでたのになんだったのヨ。
メリーナ ○-× ベス
※シットダウン・フェイスバスターを狙ったベスだが、メリーナはそれを読み、華麗な丸め込みで王座を奪取!

この試合後、舞台裏では、(直前のRAWでシナから「JBLを裏切れ」と諭されていた)HBKの心変わりを阻止したいJBLが、「今夜、俺が王者になれば、巨額報酬をすぐに渡す用意がある。それで従業員契約も満了だ」と告げ、さらにランブル戦出場権も加える好条件を提示。その条件に自問自答するHBKだったが、突如、アンダーテイカーが現れ、「時に地獄は天国に通ずる」と意味深な言葉をかけている…
▼世界王座戦:ジョン・シナ vs. JBL with ショーン・マイケルズ PHOTO王者シナと挑戦者JBLの抗争よりも、“雇用主”JBLとその“従業員”に身をやつしたHBKのやりとりが主軸にあるこのカード。 HBKにまだレスラーとしての信念があることを見抜いたシナは、本音をぶつけてHBKの変心を期待するも、狡猾なJBLが、世界王座奪取の成功報酬として、破産状態脱却と契約満了に加え、“Mr.レッスルマニア”として祭典に出場出来る可能性を提示し、“従業員”HBKの心理的な外堀を埋めた…というのが物語としての流れ。 試合が始まっても、HBKは身動きひとつせず見守るだけだったが、それでもHBKの存在に気を取られるシナが遅れを取る展開に。そして、シナとJBLが(+レフェリー)同時にダウンしたことで、遂にHBKが仕事を果たす機会が訪れる。 …しかし、JBLがシナを蹴れと指示するや、HBKはそのJBLを一撃! それを見たシナが「正気になってくれたか」と喜んだのも束の間、今度はシナにも必殺蹴りを浴びせ、誰にも指図されない本来のHBKの姿を披露! これぞHBKというシーンに観客はやんやの大歓声を挙げたが、その直後、HBKは虫の息のJBLをシナの身体に被せるという、契約遵守の行動に…。HBKは「役目は果たした」とばかり舞台裏に去ってしまったが、代理のレフェリーが駆けつけた段階で、シナが回復。結局、FUで決着した。 HBKは形として契約を守ったが、王者は変わらず。このまま契約が続くのか、HBKが抵抗を示すのか、その辺りが今後のみどころになりそうです。
シナ ○-× JBL
※HBK退場後、JBLは自力勝利を狙ってクローズラインを出すが、シナはそれをかわし、FU葬に。

▼WWE王座戦:ジェフ・ハーディ vs. エッジ 昨年AMD08で念願のWWE王者となったジェフだが、その後も、花火事故や当て逃げ事故に見舞われたことから、全てはエッジの仕業と断定。今回の王座戦でその恨みを晴らす腹積もりだった。 一方の挑戦者エッジは、ジェフだけでなく妻ヴィッキーにまで疑われたものの、王座戦本番では、ノーDQ戦への変更という後押しを受け、ちゃっかり甥チャボを帯同。事実上2対1となったが、それ以上にこのルール変更によって、まさかの事態が… 試合は案の定、ジェフが劣勢を強いられるが程なく形勢逆転。RAW実況席に寝かせたエッジへのハシゴからの爆撃は、結局、チャボへの爆撃になってしまったが、流れは俄然ジェフにあり。 そこでエッジはのらりくらり戦法でジェフの勢いを削ぐも、必殺スピアーはTOFでカウンターに取られ失速。妻ヴィッキーが駆け込み、トドメのスワントーンを阻止しようとジェフにまとわりつくけど、これもダメ。スワントーン炸裂後、場外からレフェリーのカウントを妨害したが、“我らがお兄ちゃん”マットの登場で、エッジ陣営もとうとう年貢の納め時。 PHOTOマットは持参したイスをジェフに手渡し、さあ復讐しようぜとばかりコンチェアトを指示。ジェフがうつ伏せのエッジの身体の下にイスを仕込むと、マットは場外から拾って来たイスを振りかざす…のだが、何とそのイスは弟ジェフの脳天を直撃! 回復したエッジは突然の事態に驚きつつも、ピクリともしないジェフを恐る恐るフォールして、まんまとWWE王座を奪還。タナボタ防衛に妻と共に大喜びに。 この裏切り行為で、マットがECW王座から引き離されたシナリオの意味を察することが出来よう。これまで弟の添え物扱いだったマットが、遂に弟への嫉妬を思わせる行動に出た。度重なる事故もマットの仕業だったのか? …ということで、祭典に向けて兄弟抗争が始まったといえそうです。
エッジ ○-× ジェフ
※マットの裏切りのイス攻撃を受けたジェフを、エッジがタナボタフォール。新WWE王者に。

その試合後、PPV明けに法的手段が取られるという噂をぶつけられたオートンが、「直接話がない限りランブル戦には出る」と告白していると、(RAW#817でステフに土下座謝罪させられた)ジェリコが、「あの親バカ会長は、ファンより悪質なゴマすり男。だから、お前は会長を攻撃してない。“本当の会長”は死んだんだ」と、オートンを支持。 当のオートンはランブル戦向けの心理作戦かと警戒するが、ジェリコは否定し、「マクマホン家は復讐の鬼。お前と話すのも今日で最後かもな」と警告している。
▼ロイヤルランブル戦 さてさて、WWEの数ある試合形式の中で、老若男女問わずに楽しめる「ロイヤルランブル」が今年もやってまいりました。今年も計30人が参加。1番手と2番手で試合開始となり、以降、90秒後に1人ずつ参加者が増えていき、トップロープ越しに場外に落ちて“両足”を着いたら失格。片足着地、セカンド・サードロープからの場外着地はセーフというルール。 1番手ミステリオ、2番手モリソンで試合開始となり、3番手カリートに続いて参戦したのはMVP。長期スランプのせいでベビー人気が出て来たようで、一部からMVPチャントも発生するなど、何だか転機が近い様子。5番手のカリが大暴れしていると、6番手コズロフが参戦。カリだけなく、MVP、カリートを連続排除している。 7番手には早くもHHHが参戦。コズロフを激しい乱打戦から排除するが、8番手に登場したのが、渦中のオートン! 迎撃したHHHがぺディグリーを狙うも、モリソンがスクリューキックで妨害。それに乗じてオートンがHHHにRKOを狙えば、ミステリオがセントーンで妨害と目まぐるしい展開に。 9番手JTGから、デビアス、ジェリコ、ノックス、ミズと続くが、脱落者が無いまま混戦化。 オートンがモリソン、ミズ、JTGに連続でRKOを浴びせると、調子に乗るなとばかりHHHが未遂に終わっていたぺディグリーを炸裂。ここで、HHHにホイップされたモリソンがエプロン際のミズを巻き込んで、コンビ仲良く失格! しかも落とされそうになったミステリオがその2人を足場にしてリングに復帰するという珍場面も。 14番手フィンレーの後、コーディが参戦し、オートン率いる『レガシー』が全員参戦。これでオートンにとっていい流れになったが、16番目としていよいよテイカーが参戦! JTGを軽く排除し、一気にリングを支配した。 17番手はゴールダストだが、こちらは(異母)弟コーディとの初対決が実現。ヘンテコとはいえ、さすがに兄貴の方が優勢でしたが、オートンがRKOで黙らせ、コーディに排除を指示。家族よりレガシーを優先させる印象的なシーンに。 18番手にはCMパンクが加わり、HHHにGTS決めるという罰当たりなことをしでかし、何を調子こいてんだか、テイカーまでもを攻撃。まあ、ブートですぐに反撃されますが! ヘンリー(19番手)、ベンジャミンと続いたが、リーガルが加わった直後、ヘンリーが脱落。コフィ参戦後にはベンジャミンが脱落。 そして、ケインが参戦したことで、デビアスが破壊兄弟のWチョークスラムの餌食に! リーガルがパンクに落とされた直後、R・トゥルースが参戦したが、25番手のテーマ曲が掛かると、場内は騒然。ゲスト参戦者として、まさかのRVDが登場! スタンディングオベーションの中、RVDは次から次に蹴り倒し、流れを一変している。 (若干アタフタしていたり、ミステリオが連携を提案してもシカトしちゃったりと、ビミョーな面もあったけども) それに比べて、26番手のザ・ブライアン・ケンドリックの入場が寒いこと寒いこと! 走って入場したので寒さを感じさせなかったジグラー君は、ケインに持ちネタ“自己紹介の握手”を持ちかけるも、そのまま場外へサヨウナラ! その上を行ったのがマレラ! 何と入場2秒と持たずケインのクローズラインを浴びて場外へ。リング内の参戦者のほとんどが手を止める程の衝撃。 29番手には第1回ランブル優勝者ドゥガンが登場し、最後にビッグ・ショーが参戦。ほとんどの参戦者が大巨人を警戒して、その動向を見守るという展開になるが、テイカーとの睨み合いからケインが殴打を浴びせて、他の参戦者は各自の攻防へ。 大巨人は、果敢に挑んできたドゥガンをさらっと排除し、R・トゥルースもポイ。さらにやたら粘るパンクを(お前ほんとしつこいなぁとばかりの)鉄拳で黙らせて続々と敵を減らしていく。 ノックス、ミステリオが同時に失格した後、リング下からホーンスワグルが紛れ込むが、これが父フィンレーの脱落に繋がることに。 大巨人とテイカーのライバル対決がちらっと行われた後、RVDが必殺のファイブスター・フロッグ・スプラッシュを決めるが、例の腹痛アクション中、ジェリコに排除され、無念の失格。しかし、そのジェリコもテイカーによって失格する。 そしてこの時点で、リング内は、HHH、テイカー、ビッグ・ショー、オートン、コーディ、デビアスの6人に。 レガシーの組織力でテイカー狩りを狙ったオートンだが失敗。HHHも大巨人に狙いをつけるもこちらも失敗。 結局、テイカーと大巨人がエプロンでの攻防に移ったところで、オートンは大巨人をRKOで排除。若手2人がテイカーを狙うが、首の根を捕まえ、簡単に阻止。ところが、場外の大巨人がテイカーの足元を払って失格させ、怒りのテイカーが客席に雪崩れ込んで報復に出るという状況に。 PHOTOいずれにせよ、これでリング内はレガシー3人 vs. HHH。それでもHHHは攻めに出るが、コーディへのぺディグリーを妨害しようとしたオートンをショルダースルーで場外に落としたと思い込んでしまったのか、デビアス、コーディと一気に排除した直後、背後から近付くオートンの存在に気付かず…。 部下を餌にする勝利の方程式を実行したオートンは、これみよがしにHHHを排除し、2009年度のランブル戦覇者に! 場内にあるレッスルマニア25(09)の大看板に向けて指を刺す優勝者オートンだが、翌日にも法的手段が取られる可能性も高く、今後の出場すら危ぶまれる状況で、マクマホン一族との攻防はこれから。次のPPV『ノー・ウェイ・アウト09』、そして祭典に向け、どんな抗争模様となるのか、要注目です。
優勝=オートン 失格者(後ろから退場)=HHH、コーディ、デビアス、テイカー、ビッグ・ショー、ケイン、ジェリコ、RVD、フィンレー、ノックス、ミステリオ、パンク、R・トゥルース、ドゥガン、マレラ、ジグラー、ケンドリック、コフィ、リーガル、ベンジャミン、ヘンリー、ゴールダスト、JTG、ミズ、モリソン、コズロフ、カリート、MVP、カリ
※オートンを排除したと思い込んでいたHHHは、オートンの急襲に気付かず、2年連続で決勝敗に。

[text by シングウヤスアキ]


引用元 : WWE PPV

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